スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

「北朝鮮拉致被害者、横田めぐみさんの父親、滋さんが亡くなった」そのことについて、もっとうちら日本人は考える必要があると思う。(後編)

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横田滋さんがお亡くなりなった5日夜、安倍首相が私邸前で会見を開いた。
北朝鮮に拉致された横田めぐみさんの帰国を果たせないまま、父滋さんが死去したことを受け、
「断腸の思いだ。本当に申し訳ない思いでいっぱいだ」と述べた。
そして、「拉致被害者の帰国を実現するため、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動していかなければならない」と改めて決意を示した。

確かに安倍さんもがんばってきたとは思う。
ただのポーズ?と疑ってしまうこともあるが、彼が言う通り、
「滋さんとは本当に長い間、ともに闘ってきた」のは、間違いではないだろう。

拉致問題解決を最重要課題と位置付けてきた政権内には衝撃が広がっている。
そして、今後、進展の糸口をつかめない首相に対する批判が強まる可能性もある。
いや、この問題に絡めて、政権批判とかは的がずれてる気がするので、どうかと思うが、
少なくとも、国民や世論はもっと問題にすべきで、それが政府を動かすムーブメントにもなると思う。
というか、最近、検察庁法案改正案とか黒人差別問題とかで、にわかに騒いでる芸能人とかは、これはスルーなのかな?
話題性がいまいちなのかな?
かな?🙄
世論の盛り上がりによって検察庁法案改正案は流れて、不正が暴かれたりした。
じゃあ、これだって同じだ。
政府の動きがいまいちなのは、うちら国民の声が小さいから、
いや、結局、みんな無関心だから、なのかもしれない。
拉致問題が解決しようがしまいが、みんなにとっては関係ないだろうし、、、
なんて、ふと思ってしまう。

そう、うちらには、結局何も成果はあがってないかもしれない、その安倍政権を、
でも、批判することなんか本当はできやしない。そんな権利はない。
だって、結局国民は、世論は、マスコミは、ほとんど何も大きなアピールをしてこなかった。
声をあげてもこなかった者が、ただ政府のせいにしたり、批判するのはおかしい。

これは、うちらの問題であるんだ。

声明といえば、国務省の広報担当官も、こう言った。
「米国は引き続き北朝鮮に対して日本人拉致問題を即座に解決するよう促していく」と。
それがただのお付き合い上の建て前アピールでないことを願う。

ところで、

あまり日本では話題にならないのだが、
北朝鮮による拉致被害は、もちろん隣国韓国に対しても発生している。
というか、実はケタ違い。

韓国では、公式な発表に限っても486人が拉致されている(日本は公式に認定されているのは17名。実際はもっと多いという説はもちろんある。ちなみに北朝鮮側はそれを13人と言っている。)。
韓国政府は、この問題で北朝鮮に何度か抗議をしたことがある。
ただ、北朝鮮側の回答は、「そのような人物は存在しない」もしくは存在を認めても、「自らの意志で北朝鮮に入国した」と説明し、拉致を認めることはない。
実は未だ戦争中ということになっている両国の間には複雑な事情もあるだろうし、
もし統一されたら、拉致だかなんだかもうわからないし、
強硬姿勢に打って出たら、陸続きの国同士、何をしてくるかわからないし、
日本に比べても、この問題への政府・世論の反応は鈍い。
そんなこんなで、韓国政府はこの問題に消極的であるとされ、未だ、根本的な解決の糸口は見えていない。
韓国統一部の長官が、「北による外国人拉致など事実かどうかは判断できない」と発言していたりもする。
それは南北朝鮮の統一の妨げになるからだろう。
また、ある韓国政府関係者が、「日本人拉致被害者の問題は日本だけの問題である」として、韓国政府が日本政府と協力することはないと、と発言したともメディアで伝えられている。
日本では、拉致問題に決して積極的とはいえない日本政府の姿勢も、韓国から見たら、とても積極的に思われていたりする。
そういう韓国の事情も、世界情勢の中、この問題が進展しないひとつの大きな理由だろう。

ちなみに先ほど、拉致被害医者の公式認定者数に触れたが、日本で発表されている「北朝鮮による拉致の疑いのある人」は883人、韓国は、とある機関によると3024人とか言われている、、、

そのような不確かな情報ではあるが、
こんな話もある。

横田めぐみさんの拉致については、工作員がたまたま目撃され、秘密の暴露を防ぐために拉致した遭遇拉致とみられているが、
実はそうではなく、
北朝鮮による計画的な拉致、、、
工作員育成のために若い女性を連れてくるように」という指示のもと、誘拐された、というものだ。
そして、それゆえに、
その後工作員として活動したり、数々の機密にも触れているであろうめぐみさんの存在を公にすることはできない。
ましてや返すなどありえない。

もっと都市伝説みたいな話では、
めぐみさんは、実は金正恩朝鮮労働党委員長の母親で、今は政府の要職について金正恩を陰で支えている、なんて話もあったりする。

そんなミステリアスな話ではなくても、
単純に思ってしまう。
なぜこれほどまでに、この問題の解決は進展しないのだろう?

工作員とか政府要職とかでなくても、少なくとも北朝鮮の闇に触れている拉致被害者は、その情報を持っているかもしれないから?

ただ、返還された方もいる。

となると、やはりめぐみさんには特別な何かが?

それとも欺瞞だらけの北朝鮮の死亡発表を信じる?

もしくは、一度付いたその嘘がバレると国際的な批判にさらされるから?

国としてのメンツ?

それともかけひき?

日本との関係を優位に運ぶためにコマ?

1997年の10月、
めぐみさんの拉致から20年後、
北朝鮮に渡った日本人妻がおよそ40年ぶりに里帰りすることになった。(これは拉致ではなく、政治的混乱によってずっと帰国が許されなった方たち。今も北朝鮮で暮らす人もいる。)
その時、外務省はコメ支援を北に約束することになる。
たとえ北朝鮮の夫を持ち、日本から夫に付いていって北朝鮮に渡り、しかし、それ以後、脱北が許されず、そんな日本人妻が、ただ故郷に帰ることを許可された、ということについてさえ、政治的かけひきに利用された。

しかしそれでも、これは拉致被害者解放への大きな一歩と思われた。

だがやはり、北朝鮮側のかたくなな姿勢もあり、特に進展は見られなかった。

北朝鮮という閉ざされた地であることゆえ、個人の力では何もできない。

政府や外務省に頼るしかない。

でもどうにもこうにも動きが鈍い。解決への道が見えない。

時は流れ、

これはやはり、後先考えず思ったことを言ってしまう小泉純一郎さんの功績だろうか。
小泉総理が訪朝し、5人の拉致被害者が帰って来ることになった。
しかし、この裏でも、やはり取引が行われ、実際は「一時帰国」「ちょっと故郷に行ってみてもいいけど、その後すぐ帰ってこい」だった。
で、実はそれを小泉総理や、訪朝に同行した当時の安倍晋三内閣官房副長官も含めて同意していた。
それこそ、とにかく言ったことはやんなきゃ、のとりあえずな約束をし、おまけにその見返りに一兆円が支払われることになっていたという。

実際にはこの北朝鮮の要請は拒否され、拉致被害者の皆さんは、一時帰国ではなくなり、日本にいられることになった。

一兆円の話はわからない。
もしかしたら、一時帰国じゃなくすために、もっと支払われたかもしれない。

だが、
5人だ。

帰国した曽我ひとみさんのように、母親のミヨシさんはまだ北朝鮮に、なんていうこともある。
5人の帰国は確かに素晴らしいことではあるが、それが最終目標ではない。

よね?

月日が経ち、家族の方も高齢になり、もしかしたら希望が薄れ、そのアピールが弱まるかもしれない。
2月には拉致被害者有本恵子さんの母、嘉代子さんも亡くなっている。

こんなふうに風化していってしまうのだろうか。

政府がそれを狙っているとは言わない。

もちろんいろいろ難しい問題があるのだろう。

だが、人の命を、政治的かけひきやメンツでふりまわすのはもうやめてほしい。

考えれば考えるほど、闇は深くなってしまう。

自分ひとりでは何もできない。

でも、せめてこうやって、考えることをやめたくないし、いつも意識していたい。

二度とあってはならないことだし、

拉致被害者や家族の方々の、辛く暗い日々のなか奪われた時間はもう戻らない。

この事実を、ただの歴史の暗闇に埋もれさせたまま、終わらせてはいけない。

2014年3月、亡くなった滋さんと、妻の早紀江さんはモンゴルでめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんと面会した。

同年5月には北朝鮮拉致被害者を含む全ての日本人に関する再調査を約束する「ストックホルム合意」があった。

周りの意のままに孫と会うことで、めぐみさんの死が既成事実となることを危惧し、ずっとがまんしていたが、

滋さんは、孫との対面に踏み切った理由を「一目会って死にたかった」と話した。

その10月、自宅近くの路上で転倒し、前歯を折るなどのけがをした。

体力も衰えだした自分を感じたのだろうか、この頃、取材に対して
「めぐみを助け出してからじゃないと、逝けないですよ」と話すなど、
自らに残された時間を意識した言葉が目立つようになった。

そして、それ以後、健康に配慮して大好きだったお酒をやめたという。

初めに書いた安倍総理の会見で、総理はこう続けた。

2002年の拉致被害者5人の帰国時を振り返り、

「写真を撮っていた滋さんの目から涙が流れていたことを今でも思い出す。滋さんがめぐみさんを抱きしめることができる日が来るよう全力を尽くしたが、首相として実現できなかった」と悔やんだ。

それが本心なら、
マニュフェストや選挙対策のポーズじゃないなら、

なら、

もっと悔やんでくれ。

いつも言っているように、
「私の任期中に」解決してほしい。

その努力をもっとしてほしい。

そのために、もっとうちら国民が、この問題の重要さを認識すべきだ。

改めてそう思った。




えっと、いろいろ書いたけど、別に北朝鮮っていう国家についての善悪をここで主張したいわけじゃない。
ただ、間違ってる行いは正そうよっていうだけ。
でもって、自分は北朝鮮の専門家でもなんでもないので、自分の今持ってる知識と情報をもとに調べたりして書いたんだけど、
もし大切な事項が漏れていたり、間違ってることがあったら、ご指摘お願いします。


長々とお付き合い頂きありがとうございました。

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JOHNです。よろしくお願いします。
海外のことや日本のこと、世界の現実、経済や政治、ポエムまで、いろいろ書いてます😅
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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。)
あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。
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